2008年 06月 26日
やさしいきもち |
先日のお花をくださった方が、わかりました。
ずっと当店に通ってくださっている、Mさんでした。先日も、写真の大輪のばらを
持って食事に来てくださり、あっこれはもしや、と思い、伺って見たところ、
「この前はお店に誰もいらっしゃらなかった様だったので、外に置いて行ったんですよ」
との事でした。しかも、Mさんは、「昨日ね、初めてお店のホームページを見たんです」
とおっしゃるので、「それじゃあ、先日頂いたばらの写真の記事をご覧になりましたか?」
と訊くと、「いいえ・・・見てません」・・・(笑)
それなのに次の日いらっしゃって、疑問が解けるとは、不思議ですよね。
Mさんは、このばらを育てているのが本当に似つかわしい、ふんわりとした優しい
物腰の女性です。いつも「ここで食事をすると心が癒されるんです」とおっしゃって
くださいますが、彼女がいらっしゃると、忙しいランチの最中でもほっと息をつける
気がして、いつもシェフに「リラックス、リラックス」と諭されている私の心の眉間の
しわもほどけるような気がします。Mさん、ほんとうにありがとうございます!
最近少し年を重ねてきて思う事は、他人にやさしく出来る人は、自分にも余裕があり、
自分にもやさしく出来るひとなんだという事です。私はどちらかと言うと自分にいつも
厳しい目を向けていて、失敗するといつまでもくよくよしたり、もっともっと仕事も
出来るはずだとか、どんどん自分を追い詰めていくようなところがあります。
それと同時に、周りにもいつの間にか厳しい事を要求してきたような気がします。
人はそれぞれ違うペースを持っていて、一つの事が出来なくても別の面が優れている
筈なのに、どうしてこんな事ができないの?と問い詰めたり・・・勿論仕事に関して
どうしてもこれくらいはこなせないと困る、ということはありますが、もっと一人ひとりの
素敵な面に目を向けて、和やかに接してあげればよかった、これからはそういう風に
していきたいと思うようになりました。
もっとも、持って生まれた気質というものは、なかなかすぐに変わるものでは
無いので・・・あの「若草物語」の作者のオルコット女史は、とても気性が激しく、
その短気な性格を抑えるのに、生涯苦労していた、という話を読んだ事が
ありますが・・・私ももっとおおらかで、やさしい人になりたいと、いつも努力しつつも
難しいことですねえ。Mさんのような、人を包み込むような笑顔の持ち主には
なかなかなれそうもありません。
もう一人、おおらかでやさしい雰囲気を持つうちのお得意様のTさんが、
先週、お仕事でイギリスに旅立ちました。当店がオープンした当時、まだ10代だった
彼女は、10年間、仲良し3人組の、それぞれのバースデイには必ず当店で
お祝いのお食事をしてくださっていました。今年30歳を迎え、すっかり立派な
大人の女性になった彼女は、得意の英語力を買われ、海外赴任となったのです。
上の写真は、しばらく会えなくなる彼女とお友達二人の友情を祝したデザートです。
実は彼女が初めて当店にいらした時、召し上がったアサリのパスタに砂が
混ざってしまい、さらにまた次のご来店時にもたまたままた砂が!!そんな事は
滅多に無いのに、もうきっと来てくださらないだろうな・・・とくじけていたのですが、
その後なんと彼女は母上と共に常連さんになってくださったのです。それ以来、
私たちはこっそり彼女を「あさりちゃん」と呼ばせていただいていて、先日はじめて
その事を打ち明けたのでした(笑)
こんなおおらかなお客様に支えられ、当店はもうすぐ10周年を迎えます。
「流行っているオシャレな店」というよりも、「行くとなんだか元気になれる」
「ほのぼのしていて、楽しいお店」と思ってもらえるお店にしたいと強く思う
今日この頃です。私たちもがんばります。あさりちゃんも海を越えたイギリスで、
ホームシックになったときはあのいつもの仲良しの二人や、素敵なご家族、
そして私も、応援していることを忘れないでね。あさりちゃん、ガンバレ!!
by alabonnemaman
| 2008-06-26 02:38